第3章で、まずインデックスファンドを使って資産運用を開始するのがよいことを説明しました。
商品を選択したら、次に考えなければいけないことは、そのインデックスファンドをどのように組み合わせていくかです。というのは、資産運用で最も重視しなければいけないのがアセットアロケーションと呼ばれる資産の配分比率だからです。

資産運用の結果を決める要因には、主に次の3つがあります。
要因1:銘柄選択(どの銘柄を買うのか)要因2:投資タイミング(いつ買うのか)要因3:アセットアロケーション(資産をどのように配分するのか)米国の大手運用会社バンガード社が約7年のデータを使って調査した研究によれば、「アセットアロケーションの違いが月次リターンの差異の7%を決める」という結果が出ています。

銘柄選択やタイミングよりアセットアロケーションが重要―つまり「投資で成功するためには、アセットアロケーションをまず考えるべき」だということです。

これは機関投資家(=プロの投資家)にとっては当たり前のことなのですが、個人投資家にはあまり知られていません。
ほとんどの個人投資家は「どの銘柄を買うか」や「安く買えるのはいつか」に時間を費やします。その理由は楽しいからです。そして、多くの人が思ったとおりの投資の成果を実現できていません。

実際、どの銘柄を買うかあれこれ考えたり、一番安く買える時期を予想したりするのはある意味で楽しい作業です。
しかし投資で成果がなかなか出ないと悩んでいる方は、そんな「楽しい投資」ばかりやっているのではないでしょうか?そうすると、どうしても偏りが出てきてしまいます。

「楽しい投資」ではなく「結果の出る投資」に発想を転換する必要があります。そのために必要なのが、自分のアセットアロケーションを作り、決定すること。

例えば、有名企業の株など自分の好みで選んだ楽しい投資によって日本株式だけに資産が集中してしまった場合を考えてみましょう。

日本株式は、全体の平均で1年間に過去最大で8%以上のマイナスになったことがあります。単純に考えると、100万円投資したら、1万円以上損をする計算です。これではリスクが高すぎます。

しかし、日本株式だけではなく外国株式、外国債券などに資産を分散させることで「1年間の最大損失を如%程度に抑える投資」を実現できます。

最大損失を2割くらいに抑えられれば、100万円が初万円に減るわけですから、もちろん大きなダメージにはなりますが、リカバリーは十分可能です。

資産配分のカギ

第2章で説明したように、金融資産を6つの種類に分類して、それぞれにバランスよく投資することによって、リスクを抑えながら資産をふやしていくことができます。

具体的な資産配分を考える際、リスクをどこまで取るかが問題になります。運用する資産全体における株式型の資産の比率が大きくなると資産が株価によって左右されるようになります。

また外貨資産の比率が高くなると為替の変動の影響を受けるようになり、円高になると為替の評価損が出てしまいます。

株価のリスクと為替のリスクをどの程度にするかが、資産配分を決めるときの最大のポイントになるのです。